福本伸行氏「アカギ~闇に降り立った天才~」について
アカギをリアルタイムで追っていた人は誰しも思ったことだろう。
「まさか鷲頭麻雀が20年も続くとは……」
そこまでのアカギは「まさに神がかり的」(ざわざわ……)な漫画だったと思う。
鷲頭麻雀編がだめということはない。
だが流石に長すぎるだろと。
福本伸行氏の漫画の素晴らしさは、
登場人物の思考をひとつひとつ丁寧に描写していくところにあると思っている。
それが「ギャンブルで追い込まれていくときの心理描写」だったり、
「複雑なロジックの説得力」にも繋がっているのかと思う。
あと、鷲頭麻雀とかはそのままになるのだけど、
「部分的に情報を読者に渡してやる」という手法なのかなと思ったことがある。
何も情報がないと、読者が考える手段がなくて、
ネタばれしたところで「知らんがな」となるだけで面白みはない。
逆に、すべてわかってしまうと、簡単すぎるクイズなようなもので
やはり面白みはない。
読みの情報を半分もしくは少しだけ渡してやることで、
何もわからないより読者が様々考えるきっかけになってくる。
恐怖というものは、何もわからないときと、かなりわかったときは薄れてくるんだと思う。
「少し情報がある時」が、一番怖く、ゲームや作品の「スリル」に繋がってくるのかなと思う。
鷲頭麻雀のような牌があるらしいです。
麻雀の話にもどります。
アカギの初期のころ、「捨て牌の読み方」として
「安全エリア」「危険エリア」という考え方が描かれています。
詳しくは漫画を見ていただければと思うのですが。
「なぜこの牌は、この牌より先に捨てられているか」
「麻雀の相手の待ちを読む」ということは、
もしかするとその「エリア」という考え方でかなり迫れるのかなと思いました。